変化の波を乗りこなす！ 変化点管理のススメ

　需要の多様化、新型コロナに伴う不測の事態、新技術の普及などによって環境・状況が目まぐるしく変わる現代において、生産現場では事前に綿密な生産計画を立案しても刻々と変化し変更される現実に対処できず、対応に追われる場面が増えています。こうした変化・変更は品質・コスト・納期などの面で混乱を招き、諸問題を引き起こす原因となります。そうした中、いわば“忘れられていた管理”として再び注目されているのが、問題の原因である変化・変更をいち早く検知し処置する「変化点管理」の考え方です。昨今注目を集める生産現場のデジタル化も、実はコンピュータを用いた変化点管理の一種に過ぎません。本特集では、変化点管理の全体像を押さえた上で、具体的に実践していくための計画・仕組みづくりについて解説します。

筆者：コンサルソーシング　松井 順一

”効く”危険予知訓練にしたい！

　機械・工具を用いたり危険物を扱ったりする工場には多くの危険が潜んでいます。これらの危険を生み出す要因を見つけ出し、解決する能力を高める訓練が「危険予知訓練（KYT）」です。高齢作業者や人手不足に伴う未経験者が生産現場に増え、労働安全衛生法改正に伴って自律的管理が求められるようにもなっている今、KYTの重要性は増しています。ただ、多くの現場でKYTが実施されているものの、実情を見ると効果的なKYTとなっているとは必ずしも言えません。
本特集では、KYTの効果が弱まる３つの原因に特に着目し、効果を伴った“効く”危険予知訓練を実現するための対策について解説。筆者の指導経験を踏まえて、KYT導入前から導入後に現れた変化や効果についてもレポートします。

筆者：安全教育センター　角田 淳